明日は我が身の桜ラインの2014年を、ふりかえって

2月
名古屋のさくらホールで、ピアノの近藤愛花さんと、オーボエの小林加奈さんによる、「明日は我が身の桜ライン チャリティーコンサート」が開かれました。
若いお二人の熱演に加えて、被災地の苦悩の現状がありのままに伝えられて、会場のみなさんも、共感と被災地に想いを馳せるコンサートになりました。

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岡崎市の書家、丹羽勁子先生のご提案とご指導で、2012年から始まった、明日は我が身の桜ラインの木製看板制作が、今年は、岡崎市立豊富小学校の正規の授業の中で、生徒さん
たちの手で、墨痕鮮やかに書き上げられました。
この看板が、これから植えられる桜一本一本に、それぞれ◯◯千年桜と名づけて立てられます。
この看板をつくってくださる大工さんがあり、書いてくださる生徒さんたちがあり、東北の山でエゾヤマザクラの種を採集してくださる方々があり、その種を苗に育ててくださる方があり、2年かけて育った苗を現地まで運んで植えるひとがあり、さまざまな想いを胸にあの津波の記憶を永久に留めたいと願う被災地の人があって、明日は我が身の桜ラインのエゾヤマザクラは、大地に根を下ろします。

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いっぽう南三陸町では、町が、海岸線に計画している巨大防潮堤の説明をうけながら、リアス会議の仲間たちは、今一度、根本から再検討してもらえないかと強く要望しました。役場の方たちも、真剣に住民の声に耳を傾けて、役場に持ち帰って検討を重ねると約束しました。役場の立てた計画を、住民たちが研究を重ねて、実現可能な提案をし、それを役場が検討するという、はじめての貴重な経験の第一歩でした。

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東京大学大学院のみなさんも、別の観点から防潮堤問題に取り組んでいて、防潮堤建設の「費用対効果」が想像以上に低いとの、斬新な切り口の研究成果を持ち寄ってくださいました。
これが、国土交通省や県、市町村の行政当局にとって、計画を再検討するきっかけになることを、大いに期待したいものです。

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そして、若い人たちの熱意から、ついに、集落のみなさんにお声がけして、勉強会が開かれるまでになりました。
それに呼応して、今や、海岸工学の第一人者の九州大学の清野聡子先生も駆けつけてくださり、大変、集落始まって以来の画期的な勉強会となり、最後には、地域のみなさんの盛大な拍手で幕を閉じました。

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★3ヶ月に及ぶ、宮城県のちいさな漁村での、自分たちのふるさとの未来を、自分たちの手で切り拓く試みは、今一度改めて集落の意思決定をする機会を与えられました。
この日のために、誰もが精一杯の努力をしてきました。勇気も奮い起こしました。これまでの行きがかりやしがらみも乗り越えました。当日のための準備も万全でした。
しかし、大変残念なことに、これらの積み重ねがあったにもかかわらず、大詰めの臨時契約会の集まりは、開会も閉会もなく、座長も議事進行もなく、豪雨が降りしきる中、ただひとりの怒号の嵐で終りました。
正月も返上して始まった、集落の心をひとつにして、より良いふるさとの未来を目指した活動は、一旦幕を引き裂かれて終りました。
 
私たちは、いつの日か必ず、みんなでここに集って学んだ叡智が、生かされる明日が来ると信じて、桜を植えます。桜が花を咲かせるとき、この集落にも春が来るようにと。

3月
2014年2月9日は、各地が45年ぶりの大雪となりました。その寒波の名残の寒風の中、この年、最初の植樹行となりました。参加したのは同世代同士の二組、雪の岩手を巡り、陸前高田の荒涼とした市街地を巡礼してめぐり、南三陸馬場中山で念願の植樹をしました。
 
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その3へ続く

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