湿地帯や湿原を、取水や干拓によって干上がらせたり、
乾燥地帯の大規模な商業的農地への無理でムダな大量の灌漑をしたり、水系をありとあらゆる汚染で利用不可能にしたり、
大小のダムなどによって河川を堰き止めたり、
地下水を無制限にくみ上げたり、
森林を再生不可能なくらいに破壊したり、
都市を無制限に拡大したり、
大量の水をハイテク産業が使用して汚染したり、
世界の気候や気象にダメージを与えるような社会構造を作り上げたり、
している。
世界の水産業は、既に100兆円産業に「成長」している。
(例)水の国際取引の先頭グループにいる水販売先進国のトルコは、これまでのキプロス、マルタ、ヨルダン、クレタのほか、新たにイスラエルにも年間5k㎥(5000000㎥)を販売する契約を結んだ。
これに対して、水の売買に関する、さまざまな「水紛争」(取水、供給、販売価格、販売方法など全ての局面で)が、またそれに対するさまざまな市民グループの活動が、世界規模で拡大しつつある「水の危機」に対して、人類がどう対処すべきかを明確に示唆しつつある。
大規模商業農業に代わる持続可能な自給的な農業。
破壊した水系の保全回復再生。
破壊した森林系の保全回復再生。
水に関する社会基盤の改善補修整備。
水汚染の禁止、防止、改善。
大規模産業の発展成長に対する抑制。
地域固有の伝統的な技術の回復適用。
無制限な地下水のくみ上げに対する制限、抑制、抑止。
大規模なダム建設の中止、終焉。
既存の大小規模のダムの廃絶。
など、それぞれが困難を伴う対処方法であるが、これ以外に人類生存を保障する手だてはなさそうに思える。
これらの困難な道を可能にする出発点は、世界中の人々がひとりひとりの暮らしの中の「水需要」をチェックし、自分の暮らしの中の「水不足、水汚染」と向かい合い、「水を節約」し、「水を汚染せず」、「水使用を抑制」することにある。
そこから、世界の水の明日が見えてくる。