参加者 Sさん 黒田2 天候晴の毎日
今回の旅の目的は2つあります。
まずはもちろん桜植樹。 そして今回同行のSさんと共に、被災地相互の情報発信とさらに、被災地と被災地以外との間の情報交流の実現に向けたリサーチです。
Sさんは震災以来福島で散り散りに避難している方たちへの情報伝達ネットワークづくりを手がけてきた人で心強い味方です。
通常どおりの車中泊の明けた12/03の早朝、東北道上河内PAにてSさんと合流してそのまま東北道をひた走り、9時には南三陸町戸倉に到着、こちらに送っておいた桜をうけとって車の屋根にのせ、気仙沼湾に臨む「風のひろば」にやってきました。
Sさんに紹介したのは廃屋のようになったビルの2階を活動拠点として、様々な活動と情報発信をしている伊藤さんです。こちらへは事務局は桜ラインの旅で何度も立ち寄っています。
気仙沼の情報をうかがっているうちに、どうやら伊藤さんとSさんは星空観察や撮影の同好のお仲間と判明・・・そして気仙沼は夜空の一番きれいな街ということもわかり、気仙沼の未来像もきっと共有できそうな会話がはずみました。まだ前途多難な街ですが、頑張りましょう!
これ、シダーローズと言います。ヒマラヤ杉のまつぼっくり。開いてくるとほんとにバラのよう・・・実は伊藤さんの所に迷い込んだ子猫ちゃんが残念なことに死んでしまって、各地からお悔やみのシダーローズが届いています。今は風の広場に眠っている子猫ちゃん、震災で亡くなられたたくさんの方たちと一緒にシダーローズの香りにつつまれて空から街の再生を見守ってください。
風の広場
次にやってきたのは気仙沼市階上の地福寺です。
今回は檀家の畠山さんの津波に洗われた畑に植樹。さっそく、片山ご住職といっしょに畠山家に来ました。
広大な、元畑ですが、もうはたけとしては利用しないで津波の記念の桜山になれば・・・というご希望で、ここに19本植えました。桜が大きくなることを想定して10mおきに植えました。
6人掛かりでも、この本数となるとなかなかの仕事量でした。
一仕事おえて、直ぐ近くに料理民宿で一泊、
翌朝はアワビの開口というのを聞きつけて朝早く岩井崎の磯へ見学に行ってみました。
東北に来るようになってから知った「開口」とは、その日に限ってヨーイドンで決められた時間内にアワビやウニを採ることが出来る、漁師さんたちが心まちにしている日です。
残念ながら、この日は波が少し高くどうやら不調のようでした。
帰りかけたら地方紙の記者さんとばったり、取材をされました。
南三陸の歌津に戻ってきました。快晴の朝、田束山(たつがねさん)に上がり、絶景を見るのがこのところの恒例に! いつ見てもこの景色には見とれます。
そしてランチタイムはもちろん中山の「カフェ・かなっぺ」
オーナーの千葉夫妻が歓迎して待っていてくれました。いつも美味しい香りいっぱいのおしゃれなカフェはすっかりクリスマス気分。若いおふたりとさっそく本題の地域の再生の話題
ランチを食べたあと漁師さんたちの仕事場へ。こちらでもSさんは南三陸の浜の様子をしっかりとリサーチ。何かしらみなさんのお役に立ちたい・・・そんな気持ちいっぱいです!
そうそう、戸倉で「櫂の桜」の植樹をした話しが出るとこの浜でも皆さん、桜の材の櫂をつかっているよ、と実物をみせてもらいました。この大きな櫂をなんと奥さんたちが漕ぐと聴いてまたまたびっくり。お父さんが潜って漁をし、その傍らでおかあさんが船をあやつる・・・息が合うはず!
中山で歓談しているうちにあっという間に夕暮れ時に。
飛び入りの千葉夫妻といっしょに今日の最後の目的は、戸倉のみなさんとの情報交換会。
懐かしい顔、初めましての顔・・・この2年8ヶ月の苦労を乗り越えて戸倉の皆さんはとても前向きです。中山と直ぐ近くの戸倉ですが、案外交流の機会が少ない様子で、こういう会もたまにはいいですね。また新しい繋がりがたくさん生まれますように・・・・
今回の旅は、桜植樹の活動がたくさんの出会いと恊働の場を結んでいく新たな役割を担えて、いつにも増して実り多いものとなりました。
帰路には東名道から美しい富士を望み、1泊4日の旅の心地よいフィナーレとなりました。