ひとは、森の恵みを生かし、森に生かされ、森に生きる
太古の昔、気が遠くなるほどの時間をかけて、岩だらけの大地に土ができ、さらに有機質が堆積し続けて、はじめて森が生まれた。
植物類も、海から陸に上がった動物たちも、環境の多様化に対応して、自らを変化させ、進化して、多種多様な生物相を形成した。
森の中で生きる生きものから、森に生かされ、森を使い、森を生かす生物に進化したとき、人類は単なるひとつの生物種から、生態系の頂点に立つ「ヒト」に生まれ変わった。
さすらいの旅の果てに、今私たちは、森に還ってきた
新鮮な大気を生み出し、豊かできれいな水を蓄え、不断に豊かな土壌を養い、住処と燃料を与え、食べるものを保証する森こそが、ヒトの遺伝子に深く刻み込まれた生命の源泉であり、消えることのない永遠のふるさとにほかならない。
ヒトは、森を慈しみ育てて、自らの糧としての継承と発展を確保しながら、文明を生み出し、文化を育んだ。ヒトを生み、育て、次の世代へと行き継いできた森に、今私たちは還ってきた。
これこそほんものと言える質感が、羨望の暮らしを紡いでいく
生命の躍動が、「千年の森」を包み込んでいる。まるで大地に生えたような、どっしりした無垢の質感は、そのまま暮らしの重量感。
悠久の時空を行く快感にひたりながら、私ははるかな永遠を生きている。ほんものだからこその、いつまでも新しい暮らしが、ここにはある。